【国内事例】香港政府観光局「ライブログ香港」

広告事例, 09/01/28

WEBと雑誌を連動
途切れない情報発信で潜在顧客を逃さない

観光PRの課題は
同じ情報をいかに新しく見せるか

 世界的なインターネット広告の定着を背景に、広告媒体としてよりインターネットを重視する方向に転換しつつある香港政府観光局。日本では、2007年より広告予算を本格的にインターネット媒体へとシフトし始めた。

 その第1弾として行われたのが、MSNとのタイアップによる07年の「ハマル、ミリョク、香港。」キャンペーンで、舞台役者、タレント、モデルの3人が動画(MSNビデオ」を使ってオリジナルツアーをプレゼン、ユーザーが行きたいと思った「香港ツアー」に投票するインタラクティブキャンペーンなどを展開した。地図上にてツアープレゼンに出てきた場所や詳細情報も提供するなど、「動きのある映像でインパクトを与え、印象に残すことを狙った」(香港政府観光局 マーケティングエグゼクティブ広告担当・深野香氏)という。

 このインパクト重視の展開を受け、08年に行ったのが、同じくMSNとの共同実施となった「ライブログ香港」キャンペーンだ。「私たちの商材である“香港”は街だけに劇的な変化に乏しく、同じ情報をいかに新しく見せていくかが毎年の課題」という香港政府観光局では、08年は香港の情報をよりなじませていく方針を決定。より実用的な情報をしっかり出していくことで、ファンの育成および香港への旅行意欲の一層の喚起を図ろうと考えた。そうした要望に対してマイクロソフトが提案したのが、基本情報をしっかり押さえつつ、消費者目線からブログを活用する「ライブログ香港」という展開であった。

 具体的には、香港のトラディショナルなデートスポットと、トレンディーなデートスポット各10カ所を紹介し、どちらが良いと思うかユーザーに投票してもらうという「香港ライブデートバトル」をメインに展開。さらにカリスマブロガーや現地ブロガー、またMSNユーザー4人が渡航し、自分のブログに香港旅行体験を書いて、現地の生の情報を発信した。あわせて香港のグルメ情報や観光情報も紹介し、充実したコンテンツを提供した。

深野香氏

香港政府観光局 マーケティングエグゼクティブ広告担当
深野香氏

ライブログ香港

サイトの上段にはデートバトルやライブロガーの記事など、目を引くコンテンツを配置。下段には、香港に関する情報をしっかりと盛り込んだコンテンツを用意した。

香港ライブデートバトル

「香港ライブデートバトル」はマガジンハウスの雑誌『BOAO』『anan』とも連動。それぞれ5ページと2ページの企画が掲載された。

 「『香港ライブデートバトル』は、最先端メディアであるインターネット上でのベタな企画というギャップが、逆に新鮮さを生んだ」と深野氏。さらにコンテンツを雑誌と連動させた企画が実現。キャンペーン開始翌日に発売されたマガジンハウスの女性誌『BOAO』、翌々日発売の『anan』でもデートバトルのコンテンツを連動させ、投票はWEBで行う仕組みとなっていた。「広告を見て香港に行きたいと思ってもすぐに行けるものではないため、二の矢、三の矢を放たないとすぐに忘れ去られてしまう」ことから、WEBと雑誌の連動により、香港に興味を持った人、潜在的に持っている人が、いつでも香港の情報と接することができる環境を構築すると同時に、お互いの読者のクロスオーバーを狙った。マガジンハウスとのタイアップによって、今年3月まで毎月同社発行の雑誌にて香港関連の記事が組まれ、継続した情報発信を行っている。

 他方ブログ展開においては、専門分野を持つ3人のカリスマブロガーをはじめ、香港在住または香港を拠点に活動している2人の現地ライブロガー、さらには自らのブログへの体験レポート掲載を応募条件に、香港旅行が当たるキャンペーンで選ばれた4人の一般ブロガーを登用。記載内容に一切の制限を加えることなく、それぞれの感性、視点から自由かつ率直に香港の“今”を伝えてもらうことで「消費者との密着感を創出するとともに、“生”の情報を通じて、香港の新しい魅力に気付いてもらいたかった」というのがその狙いだ。

同じ層への継続訴求により
逆境下でも渡航者増を記録

 こうした展開により、08年のキャンペーンサイトページビューは当初見込みの2倍に到達したほか、キャンペーンサイトの情報更新に連動して、カリスマブロガーのブログページビューも大幅アップ。彼らのブログの新規読者開拓にもつながるなど、予想外の相乗効果も現れた。また、昨年12月後半から日本人の香港渡航が急増。08年の日本人出国者数が伸び悩む中、「微増ながら前年実績を上回ることができたのは、今回の一連のキャンペーンを通じて、同じ層に訴求し続けてきたことも一因」と、深野氏は継続することの大切さを強調する。

 09年は「日本香港観光交流年」。観光庁をはじめ、関連機関によるさまざまなイベントが予定される中、深野氏は「大きなイベントでは取り上げられないような、隠れた香港の魅力もクローズアップしていく予定」と話している。

2009年1月号ニュースレター 
>業界インタビュー >国内事例  >海外事例  > MSAインタビュー

Related Case Studies

None