|
09/03/23
ADKインタラクティブ 代表取締役社長・横山隆治氏
2009.03
行動ターゲティング、日本市場の現状は?
ADKインタラクティブ 代表取締役社長
横山隆治氏
――企業はいまコミュニケーション活動において、いかにROIを高めるか、苦心しています。その中で、「行動ターゲティング」に対する期待も高まっていますが、企業における活用状況をどのように見ていらっしゃいますか?
行動ターゲティングとは、広告を「どこに掲載するか」ではなく、「誰に配信するか」で考えるもの。欧米ではこの考え方が浸透していて、「誰に配信するか」の最適化を図るアドネットワークの活用も進んでいます。日本ではまだまだ「メディアを買う」という発想が強く、欧米のように、その先の「オーディエンスを買う」という思考のシフトができていません。
さらに企業だけでなく、提案する側の広告会社のプランニングスキルや知見も十分ではありません。行動ターゲティング実践に有効なアドネットワークについても、サービス提供側がその有効性を理解し、しっかりと説明していかないといけないと思いますね。
またターゲットを絞って展開しても、広告の出現率が低くては意味がなく、出現数を考えると、ある程度のユニークユーザーが必要となります。しかし、日本ではまだその絶対数が少ないですね。行動ターゲティングの実践、アドネットワークの活用にはもう少し時間が必要なのかもしれません。
WEB活用で興味・関心層に
マーケティングコストをシフト
――行動ターゲティングを実践する上で、注意すべきポイントを教えてください。
厳しい経済環境の中で広告費は縮小傾向にありながら、これまで以上に効率的なアプローチが求められています。そこで、興味・関心が顕在化している人を探し出すことができるWEBの活用はますます注目されていくと思います。
私は、これまでマスメディアにかけていた予算を、WEBを活用し、興味・関心層にターゲットをシフトすることで、予算が縮小しても、質の良い顧客を獲得できることにより、売上げを維持、あるいは伸ばすことができると考えています。
コミュニケーション単価を考えた際に、主にマスメディアを活用してターゲット全体にブランドの認知促進を図るためのコミュニケーション単価と、興味・関心層に購入を促進するための単価が同じでは意味がない。特に高価格の商品カテゴリーでは、見込み客に対してそれだけのコミュニケーション単価を掛けるべきです。WEBを使えば、どういう経路で訪問したか、購買に至ったかなどトラッキングできるのですから、長期的な視点、また全体の施策を踏まえてコミュニケーション単価を考え直さなくてはいけないと思います。
つまり、興味・関心層にマーケティングコストをシフトし、より質の良い顧客を獲得する。そしてROIをマーケティングの最終目標に近いところまでフォローして、測定・管理できるように仕組みを変換した方がいいと思うのです。厳しい経済環境だからこそ、いまこの2つもきちんと取り組むか取り組まないかで、景気が回復した時には大きな差が生まれるでしょう。そうした認識を持って、積極的にアドネットワークを使ってみるといいですし、他社に先んじてトライを重ねることで、データやノウハウを蓄積していくべきだと思いますね。
広告業界に求められる
トータルソリューションを提案できる人材の育成
――広告主に提案する広告業側が持つべき視点や、広告業界として取り組まなくてはいけないことはありますか?
広告業に求められているのは、トータルソリューションをプロデュースして提案できる人材だと感じています。メディアも広告会社も、メディアメニューを伝えるだけでは売れない。15秒のテレビCMなど、広告のクリエイティブを作るだけでなく、消費者にとってどういうコンテンツがあって、ブランドのメッセージにどう変化するか、コンテンツに対して最適なチャネルが何なのか、そして、より高いROIの結果が生まれるようなWEBを中核とした新しいキャンペーン開発プロセスを考えていかなくてはいけないと思います。
またそのプロセスも、広告主と一緒に考えていかないと、状況は変わっていかないと思います。現場の担当者、特に経営陣が、マーケティング体制をどう変えていくべきなのか、どんな組織や人材育成が必要なのかを理解することが重要。今年はad:techも予定されていますが、欧米の広告展開や、先進的な広告主がキャンペーン開発プロセスをどのように変えてきたのかなど、注目してみるのもいいかと思います。
 |
|
 |

|